iPhoneの脱獄とは? JailBreakのメリットとデメリット
世界に広がるiPhone。その中で日本は世界一iPhone大国と呼ばれるほどiPhoneユーザーの割合が大きく、脱獄に関して興味を持つ人も年々多くなってきている。
そこで脱獄(Jailbreak)とは一体何なのか、というのをまとめてみた。
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もくじ
脱獄(JailBreak)とは
脱獄(JailBreak)とは、Appleの許可を受けていない
「非公式アプリの動作を可能にすること」である。
通常iPhoneなどのiOSデバイスにインストールできるアプリはAppStoreにあるものだけであるが、特定のツールを使用して制限を開放(脱獄)して、様々なアプリなどをインストールすることができるようになる。
脱獄することで公式アプリストアであるAppStore以外の非公式アプリストアの”Cydia“などを通じて高機能なアプリをインストールすることができる。
脱獄行為はソフトウェアライセンス及びソフトウェア利用許諾契約に違反する、改造とみなされ、Appleからのサポートが受けられなくなる。
違法性について
上記では違反すると記したが、違反ではあるものの、
現在脱獄という行為自体に違法性はない。(日本国内の場合)
脱獄はいわゆるグレーゾーンとされていたが、2010年に米国では正式にiPhoneの脱獄は合法とされた。日本ではまだグレーゾーンのままであるが、違法ではないことに変わりない。
脱獄自体に違法性はないが、AppleStoreにある有料のものを無料で手に入れるように出来るものなどもあり、そういった海賊版などを使用するのは違法であり、知らなかったでは済まされない。
脱獄行為を否定的に思うのは日本人だけ?!
興味深い統計が数年前に発表されている。これはアメリカの調査会社pinch mediaでの世界の脱獄デバイスの割合を示したものだ。
(参考元:jailbreak-iphone)
AndroidやiPhoneなどのスマートフォンの世界のシェアの割合を調べてみると、世界で最もiPhoneのシェアの割合が高い国は日本である。
にも関わらず日本での脱獄デバイスは極端に低いということがわかる。(参考元:GIZMODO)
中国に関しては人口の差があるにせよ、その他の国で見てみると明らかに日本だけ極端に低い。確かに脱獄に関するネットの情報や記事でもネガティブな意見が目立つ。
これは日本人特有の真面目さがでているのだろうか・・・。
Evasi0nでのデータ
先ほどのデータは5年ほど前ということで少しデータが古い可能性があるので、その他にデータがないのか調べてみると、1年半前にリリースされたEvasi0nでのデータが公開されていた。
こちらのデータでは1年半前にリリースされていた脱獄ツールEvasi0nのダウンロード回数を国別にカウントしたデータである。
当時で脱獄した人のほとんどはこちらのツールからではないだろうか。合計DL回数も170万回以上と記載されている。上位10カ国が表示されているようだが…?
やはりこちらでも日本は極端に少ない。
Appleの訴えが却下された話
アップルはJailbreakについてこれまでコメントを避けていたが、2009年2月に「Jailbreakが、著作権で保護されているファームウェアを無効にする行為は、アップルの著作権やデジタルミレニアム著作権法に違反する」というコメントをアメリカ著作権局に提出した[3]。
ただし、アメリカの非営利組織であるElectronic Frontier Foundation(EFF)が、Jailbreak行為をデジタルミレニアム著作権法から免除する要請をアメリカ著作権局に2008年12月申請し[4]、2010年7月に「ユーザーが合法的に入手したアプリケーションなどを実行するためにJailbreakする行為」や「携帯電話を他の携帯キャリアに接続させるためのJailbreak」などは合法との判断を下している[5]。また、アップルが米国特許商標庁に提出したiPhone関連の特許出願図の中に、Jailbreak後に利用できるiPhoneアプリの名称が掲載されており、物議をかもした[6]。 Appleはこの現状(Jailbreak)する事に対して、対策を行おうとアップデートを繰り返すが、プログラミングの都合上あるセキュリティーホール・脆弱性を塞ごうとするとまた、新しい脆弱性が生まれてしまうので今の所いたちごっこ状態になっている。
簡単に言うと
Apple vs 米著作権局 編
(DMCAのiPhone脱獄合法認定にAppleはどう反応するか? おそらくダンマリだ – TECHCRUNCH JAPAN)
Apple「著作権の侵害だ!!違法にしてくれ!!」
著作権局「いや合法だから。」
Apple「…」
Apple vs 米国特許商標庁 編
(アップル、iPhone生体認証特許を出願、なぜか脱獄アプリ名も – Engadget Japanese)
Apple「これ、特許出願図だから、登録よろしく!!」
特許商標庁「はい。(…あれ、この図にあるアプリって脱獄アプリじゃないのかな)」
画像が広まり、Appleが脱獄アプリを使うということは完全に認めたということかと物議。
Apple「…」
脱獄のメリットとデメリット
ここでは脱獄(JailBreak)においてのメリットとデメリットを紹介する。
脱獄をするとAppleStoreにない便利なアプリを自由にインストールすることができる。さらに好きなデザインにカスタマイズできたり、多くの拡張機能を加える事ができる。
しかし人によってはデメリットの方が大きく感じたりメリットの方が大きく感じたりするため、必ずしもどちらかが多いとは決めることはできない。
一度脱獄したiPhoneを長年使ってしまうと脱獄していないiPhoneじゃ物足りなくなるほど良い機能がたくさんある。 脱獄ユーザーが主に利用している内容には以下の様なものがある。
・アイコンのデザインや大きさの変更
・ホーム画面やロック画面に時計や天気などのウィジェットなどの配置
・ロック画面、ホーム画面、コントロールセンター、通知センターのデザインの変更
・マルチタスクを一括終了させる
・アプリ毎にパスコードロックをつける
・デバイスの内部ファイル等を変更したり削除したりすることができる
・広告やポップアップのブロック
・ステータスバーに日付や曜日などを表示
・ジェスチャーで様々な動作を割り当て(ボリュームボタン長押しで次の曲再生など)
・フォルダの中にフォルダを入れるたりフォルダに入れるアプリの上限を解除
・コピーペーストの機能の拡張(お気に入り、履歴など)
・カメラのシャッター音無効
・スクロールの高速化
・SMS、MMSをポップアップで返信
・電話を掛ける前、メールを送る前に確認
・メール引用の非表示
・セキュリティを向上させる
Appleのサポートは受けることが出来ず、脱獄アプリのサポートセンターなどはもちろんない。
なので困った時にサポートセンターに問い合わせるなどはできず、自力で調べるか他の脱獄ユーザーに聞くことになる。
もちろん他の脱獄ユーザーも100%正しい発言をするという訳ではないので、全て自己責任となる。
・デバイスの動きが重く(遅く)なることがある。
・セキュリティが低下する可能性
・Appleサポートを受けることが出来ない可能性がある(初期化すると受けることができるという意見もある)
・特定のアプリが起動しなくなったり、互換性などの問題でクラッシュするようになることがある
・場合によって、起動しなくなったりセーフモードから復旧することができなくなることがある
・様々な問題の原因を特定するのは難しく、自力で調べなければならない
脱獄の流れ
↓
2.ダウンロードしたツールを使ってiPhoneを脱獄
↓
3.脱獄完了後、iPhone内にCydiaと呼ばれるアプリがインストールされる。
↓
4.以降はCydiaから好きなアプリなどをインストールすることができる。
脱獄ツールには過去にも多くの種類があり、自分のデバイスに対応しているもので脱獄する。Cydiaとは感覚的にはAppleStoreのようなもので、有料のアプリもあれば無料のものもあり、好きなものをダウンロード、インストールができる。
さらに、リポジトリと呼ばれるダウンロード先をCydiaに追加することで、Cydiaに標準で入っている脱獄アプリ以外にものもインストールできるようになる。おすすめのリポジトリや脱獄アプリは本記事の最後に参考リンクを記載。
一度脱獄したデバイスは復元することで入獄(脱獄状態を解除)することができる。
脱獄(Jailbreak)ツール
対応バージョンを参考にデバイス・iOSに合う脱獄ツールをダウンロードする。
脱獄ツール | 対応デバイス | 対応バージョン |
evasi0n7 |
iPhone 4/4S/5/5c/5s iPod Touch 4/5 iPad 2/3/4/Air/mini/mini2 |
iOS 7.0 ~ 7.0.6 |
p0sixspwn |
iPhone 3GS/4/4S/5/ iPod Touch 4/5 iPad 2/3/4/mini |
iOS 6.1.3 ~ 6.1.6 |
Pangu |
iPhone 4/4S/5/5c/5s/6/6+ iPod Touch 4/5 iPad 2/3/4/Air/mini/mini2 |
iOS 7.1 ~ 7.1.2 iOS 8.0 ~ 8.1 |
TaiG |
iPhone 4/4S/5/5c/5s/6/6+ iPod Touch 5 iPad 4/iPad/Air/Air 2/mini/mini2/mini3 |
iOS 8.1.1 ~ |
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脱獄後の注意事項
脱獄は自己責任であるが、初心者はやめた方が良いという意見が多い。
しかし初めは誰もが初心者なのである・・・。
脱獄初心者の場合、脱獄環境に慣れている人や知識のある人に比べるとやはり問題が発生した時の対処に苦戦する。
脱獄アプリを入れる前に自分の環境に対応しているかどうかは必ずチェック(デバイス、iOSのバージョンなど)しておくこと。
そして常日頃にバックアップをとっておくことを心がけておいたほうが良いだろう。
場合によっては一切iPhoneとして機能しなくなることもあると言われている。
この状態を”文鎮化“と呼ばれている。が、高い確率で復元することで復活し、実際に文鎮化したという人はほぼいない。
脱獄ユーザーの(おそらく)すべての人はiPhoneやiPadなどが、一部表示されなったりずれている箇所がでたり、特定アプリが起動しなくなってしまったり、クラッシュ、セーフモードになったり、再起動を繰り返すようになってしまったりなど大きなものから小さなものまで様々な問題を経験している。
その時はまずは自分で徹底的に調べることになる。
初心者はやめたほうが良いと言われるのは、上記のような問題の対処を完全に人任せにしてしまう人や、調べてやろうとしない人はやめたほうが良いという意味だと捉えてよいだろう。
脱獄に関してなぜかシビアなユーザーが多く、質問の仕方次第では一蹴されてしまう。
質問する時の事項として
・どの脱獄ツールで脱獄したのか(Pangu ver1.0など)
・iPhoneとiOSのバージョン(iPhone 5s 7.0.4など)
・具体的な症状
・原因として心当たりのある事柄
・自分で試してみたことや内容
などは伝えたほうが良いだろう。
自分で調べてもわからないままで、Jailbreakに関して詳しい場所で他人に聞いてもだめな場合は最終手段としてiTunesから復元するという方法がある。こういう時のために、
常日頃からバックアップをとっておくことをおすすめする。
最後に…
脱獄に関して軽くまとめてみたが、特に脱獄を勧めるわけでもなく、否定するわけでもない。脱獄のことでは知らないことはまだまだ多く、日々調べる毎日である。
しかし調べたり知識をつけることで、周りの困っている人助けることができることだってある。もちろん調べたりする時間が増えるため、そこがデメリットだという考えだってある。
どちらにせよ言えるのは知識があってようやく本当のメリット・デメリットに気づくことができるのではないだろうか。
参考 :