[CS6] Photoshopを使って燃え上がる火・炎のエフェクト加工をする
今日はPhotoshop(CS6)を使って燃え上がる炎を別の画像に付け加えるという方法を学んだので忘備録として記録。僕のようなPhotoshopに全然慣れていない人にでもわかるように細かく説明してみる。
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もくじ
1-1.新規塗りつぶしレイヤーでべた塗りを選択
1-2.べた塗りする色を選択
2-1.元の背景を表示する
2-2.クイック選択ツールで体の全体を選択する
2-3.髪などの細かなところまで綺麗に選択する
2-4.選択範囲のレイヤーを複製する
2-5.完成したレイヤーを整理する
3-1.炎のレイヤーを挿入し配置する
3-2.配置した炎のレイヤーの描画モードを調整する
3-3.配置した炎のレイヤーを複製する
3-4.複製した炎レイヤーを1つずつ形を整える
4-1.新しくレイヤーを作成してレイヤーを整理する
4-2.ブラシツールを使って影になる部分を黒くする
5-1.新規レイヤーを作成して体の形を選択する
5-2.ブラシツールで炎の明るさを反射させる
おおまかな流れとイメージ
- 炎のレイヤー
- 炎の明るさのレイヤー
- 体の周りの暗さのレイヤー
- 体のレイヤー
- 背景レイヤー
上記の5つのレイヤーをそれぞれ作成していき、それらを重ねることで完成する。 レイヤーとは上の画像のように、分けて描いたりデザインしたりすることができるパネルやシートのようなものである。1枚のパネル上に描くと修正する時に大変であるが、分けられたレイヤーの場合だと、暗さだけを修正したり、炎だけを調整したりなど、色々と便利。
炎はゼロから作るのではなく、写真や画像などから取り込んでそれをアレンジするのが手っ取り早く、楽だろう。やたらと長くダラダラと書いているが、実際にはそこまで複雑なことはしていないのでたいして時間もかからないはずだ。
素材、画像の準備
炎が明るい色なので背景は暗いほうが火の色が映えて良い感じ。
といいつつ、本記事の場合は白い背景の「ぱくたそ/PAKUTASO」を使用した。
画像下の「L」もしくは「S」ボタンをクリックしてダウンロードできる。
炎は後からいくらでも増やしたり形を変えることができるので1つで十分。
でも極力、炎だけが表示されている画像を探す。
本記事の場合は「deviantART」から
右上のDownloadボタンで画像を表示させて右クリックで「名前をつけて画像を保存」
1.背景レイヤーを作る
まずは背景になるレイヤーを作る。今回は真っ白な背景で、これでは炎が目立たないために真っ暗な背景にする。 元々暗い背景が暗い色や、赤い炎が問題なく見える背景を使用する場合は新たに用意する必要はないのでここのステップを飛ばし、次のステップに進もう。
1-1. 新規塗りつぶしレイヤーでべた塗りを選択
上のメニューから
レイヤー > 新規塗りつぶしレイヤー > べた塗り
をクリック。この後、塗りつぶす色を設定していく。
1-2. べた塗りする色を選択
べた塗りをクリックすると新規レイヤーの名前を入力するウィンドウが表示されるので適当に名前をつけてOKボタンをクリックする。
今回では背景という名前にしてクリックした。(空白でも可)
そしてOKボタンを押すとカラーピッカーウィンドウが表示されるので、ここでべた塗りする色(今回の場合は黒)を指定する。
上手く新規塗りつぶしレイヤーができるとこのように画面が真っ暗になる。
これで一番下になる真っ黒の背景の作成は完了。
2.体のレイヤーを作る
ここのステップでは背景から体だけを切り取る作業となる。慣れないうちは戸惑う作業ではあるが、慣れたらすぐにできる作業。 こちらの作業も、暗い背景でさらに手早く終わらせたい場合には不要なので、次のステップに進もう。
2-1. 元の背景を表示する
まずは黒い背景を一時的に非表示にする為、レイヤーパネルにある黒い背景の左にある目のマークをクリックすることで黒い背景を非表示にすることができる。
(もう一度同じ場所をクリックすることで再度表示させることもできる。)
同じくレイヤーパネルにある下側の背景を一度クリックし選択した状態にしておく。
(選択されているレイヤーはレイヤーパネル上ではうっすらと白くなる。)
2-2. クイック選択ツールで体の全体を選択する
左のツールパネルからクイック選択ツールを選び、体の全体を選択していく。体の周りに綺麗に点線がつけば完璧。
・ツールパネルが見当たらない場合は上のメニューから ウィンドウ > ツール にチェックを入れてみよう。
・クイック選択ツールの様なアイコンが見当たらない場合はツールパネルに並べてあるアイコン上で左クリック長押しをするとさらに項目が表示されるので確認してみよう。
+左クリック | 選択範囲の解除 |
+スクロール(上下) | 画像の拡大縮小 |
+右クリック+ | 選択ツールのサイズの拡大縮小 |
+左クリック | 選択範囲の解除 |
+ +スクロール(上下) | 画像の拡大縮小 |
+ + | 選択ツールのサイズの拡大縮小 |
クイック選択ツールでの作業のコツとして、
Windowsなら
、Macなら と を上手く使うことで効率が一気に上がるのでいつかのために慣れておくとよいかもしれない。
2-3. 髪などの細かなところまで綺麗に選択する
クイック選択ツールでは髪などの細かなところまでは綺麗に選択しきれないので、上のメニューバーから「境界線を調整」で丁寧に選択できる。初心者だった僕はこの辺りが一番意味不明だったが慣れると楽しくなるはずなのでがんばろう。
「境界線を調整」をクリックすると新たなウィンドウが表示される。そして一番上の
「表示モード」の中にある四角い窓をクリックするとリストが表示されるのでその中から
「黒字(B)」を選択。
ズームツール:髪などの細かなところを拡大して見やすくする
手のひらツール:画像を自由に移動させる
この2つを使って位置や調整したい部分まで移動、拡大をし、半径調整ツールで髪などの選択しきれていなかった気になる細かな部分をなぞるように指定すると綺麗に洗濯できる。
気になる部分をなぞり終わったらOKボタンを押す。
2-4. 選択範囲のレイヤーを複製する
体の全体を選択することができたら体の周りが点滅している状態で上のメニューから
レイヤー > 新規 > 選択範囲をコピーしたレイヤーの順で進める。
単純にコピーペーストでもできるし、
+ (Win)
+ (Mac)
でも可能。
2-5. 完成したレイヤーを整理する
最後に複製した体のレイヤーを一番上に持っていき、黒い背景を2番めに置く。最後の背景はもう使うことはないので非表示にしておく。黒い背景に体のレイヤーが表示されていれば問題ないだろう。
レイヤーパネル上の”レイヤー1″という文字の上をダブルクリックすると名前を変更できるので”体のレイヤー”などの名前に変更。
これで体レイヤーの完成。一番上に体のレイヤー、その下に黒い背景のレイヤーが表示されている状態だ。
3.炎のレイヤーを作る
ここから楽しくなるステップ、炎のレイヤーの作成。背景によってはここのステップをするだけでそれっぽく見えるので、背景に合わせて調整しよう。
3-1. 炎のレイヤーを挿入し配置する
始めに用意しておいた”炎の画像“ファイルをPhotoshopのレイヤー上にそのままドロップする。もしくは、上のメニューからファイル > 配置 の順で選択することもできる。
挿入した画像のサイズと位置を調整し、手の上の方に持っていく。
この時、炎の画像の周りの黒い部分が邪魔で手が隠れてしまったりするが、この後で見えるように設定するのでとりあえず大体で良いので配置しよう。
(一度配置して、再度配置し直したい時はツールパネルの一番上にある移動ツールを使用して再配置できる。)
3-2. 配置した炎のレイヤーの描画モードを調整する
配置、調整ができたら、次に炎の周りの黒いところが邪魔なのでここを透けるようにするため、左下のレイヤーパネルで、炎のレイヤーを選択している状態ですぐ上に描画モードを選択で通常になっているところをスクリーンに変更する。
(炎のレイヤーを選択できているかどうかは、レイヤーパネル上のレイヤーパネルが薄いグレーになっていれば選択されていることになる。)
スクリーンを選択すると炎のレイヤーから黒い部分が表示されなくなり、きちんと手の上の炎が表示されるようになる。
3-3.配置した炎のレイヤーを複製する
綺麗に炎のレイヤーだけが表示されたら今度はそれを複製する作業。
複製する目的として、たくさんの炎のレイヤーをそれぞれ変化を加えて大きな炎にし、それっぽくするためなので、複製の数は好みで納得のいくように仕上がるのであれば複製する必要もない。
複製する方法で簡単な方法として、上の画像のようにレイヤーパネルの炎のレイヤーを新規レイヤーを作成ボタンにドロップするという方法がある。その他の方法では複製したいレイヤーを選択し、右クリックメニューからレイヤーを複製することもできる。
3-4.複製した炎レイヤーを1つずつ形を整える
いくつかの複製した炎のレイヤーをある程度の場所で構わないので並べる。炎のレイヤーの数が足りないと思ったら”3-3″の手順を繰り返し、炎のレイヤーを増やしておく。
炎を移動させたら、最後にエンターキーをおして配置を完了させよう。画像に「X」の印が入っている状態は配置が完了していない状態だ。
画像を選択している状態でボックスの外側にカーソルを持って行くと向きを変更できるカーソルに変化する。この状態で好きな方向にドラッグすることで向きも変えることが出来る。
さらに配置する前の「X」印が表示されている状態では画像上を右クリックすると色んな編集メニューが表示される。この中で「ワープ」や「自由な形に」などで色んなアレンジを加えよう。この辺りは言葉では説明しにくく、慣れるのが一番だ。
たくさん作った炎のレイヤーは全てまとめて“新規グループを作る”というフォルダーの様なアイコンにドロップするとグループとしてまとめてくれる。もちろん左の目のマークをクリックすると炎を全て一括で非表示にすることができる。
炎のレイヤーグループなどの名前にしておくと良いだろう。
これで炎のレイヤーが完成。 背景が元々暗い画像を使っている場合や炎を付け足すだけなシンプルに終わらせたい場合はここのステップだけでも十分にそれっぽく見せることも出来るので以降のステップは場合によっては必要がないかもしれない。
とりあえずここのステップはこれで終了。
4.体の周りの暗さのレイヤーを作る
ここでは体の周りを背景となじませるために暗さを付け加える作業をする。ここのステップも元々馴染んでいる画像を使っている場合は特に必要ない作業となる。
Photoshopの機能を使って機械的に暗くするよりも、部分的に調整したかったので暗さだけのレイヤーを作成してみる。
4-1.新しくレイヤーを作成してレイヤーを整理する
まずは体の周りの暗さのレイヤーを作るために、新しいレイヤーを作成する。新しいレイヤーの作成方法はレイヤーパネルの下にある”新規レイヤーを作成“ボタンで作ることが出来る。
ここで一旦レイヤーの配置を整理しておこう。
今作った透明(現段階)のレイヤーは、前のステップで作った炎のレイヤーもしくはグループ(フォルダ)の上に作った場合は、炎のレイヤーよりも下に配置しよう。間違って炎のグループの中に放り込んでしまった場合は、同じようにドラッグして外に並べよう。
それと炎のレイヤーは作業の際見えにくくなるので一旦非表示にしておく。
4-2.ブラシツールを使って影になる部分を黒くする
ツールパネルからブラシツールを選択し、
ブラシの不透明度(30~40%)、色(黒)、大きさ(その都度変更)、硬さ(0%)
を選択し、両手に光があれば影になるであろう部分と体の周りを重点にポンポンとクリックし、少しずつ暗くしていく。
今回の画像の場合だと髪のあたりは白の背景の時の色が反射して目立ってしまっているのでそれも隠していく。
+ + (Win)
+ + (Mac)
でやり直し(1つ戻る)することができる。消しゴムツールを使用してやり直すこともできるが、他のレイヤーを選択している状態で消してしまわないよう注意が必要。
レイヤー名は”体の周りの暗さ”とする。
最後に非表示にしていた炎のレイヤーを表示させるとほぼ全てが完成だ。ここのステップでかなりそれっぽくなっているだろう。(本当は体の形を選択した状態で黒くするのがきれいな形なのだろうけど、それは次のステップでやってみる。)
5.炎の明るさのレイヤーを作る
最後のステップは炎の明るさのレイヤーの作成。ここまで細かくする必要はないかもしれないが、ここまでやるとさらにリアルに見せることが出来るはず。
5-1.新規レイヤーを作成して体の形を選択する
まずは炎の明るさのレイヤーを作るためにレイヤーパネルの下にある”新規レイヤーを作成ボタン“から作成する。作成する場所は”体の周りの暗さレイヤー”の1つ上か1つ下がよいだろう。この辺りは好みで。
このレイヤーの名前を”炎の明るさのレイヤー”とする。
そして、新しく作ったレイヤーが選択されている状態で、
体レイヤーのサムネイル上で
+左クリック(Mac: +クリック)すると体の周りが選択される。レイヤー上をクリックしても意味がなく、必ずサムネイル上でクリックしよう。
これで新しく作ったレイヤーから体の形を選択している状態ができたので点線が表示されている状態で炎の明るさを体に反射させていく。
5-2.ブラシツールで炎の明るさを反射させる
体の周りを選択した状態でブラシツールに切り替えた後、炎の位置を参考にしながら火の色の反射を体に付け加えていく。
ブラシツールに切り替えた後、火の色を抽出するために
+左クリック(Mac: +左クリック)で火の色を指定することが出来る。
ブラシの色を確認し、ブラシツールの不透明度は5%~10%、サイズや硬さも4-2.と同じ手順でブラシの調整をし、体に薄赤い色をポンポンとのせていく。
体への火の明るさを入れることができたら炎の周りにも明るさを足しておく。体を選択している状態を解除するには
+ (Mac: + )を押すと解除できる。レイヤーは炎の明るさのレイヤーにしたままで火の周りを同じようにポンポンと明るさを足していこう。
これで炎の明るさのレイヤーが完成。”炎の明るさのレイヤー”と”体の周りの暗さのレイヤー”は上下逆でも良いかもしれない。
これでようやく完成!!
リアルに近づけようとするとやはり比例して手間がかかる。しかし、手間がかかる分知識や自分の技術は向上するのは間違いないので極力新たなことにチャレンジしたほうがよさそう。
6.最後に…
始めのうちは、やり方が難しい以前に専門用語であったり、それがどこにあるのかさえわからなかったが、慣れてきたらどんどんスムーズに編集することができるようになるのでなおさら手放せなくなるのが実感できた。
調べながらやっているのもあって、まだまだわかっていなかったところがあり、改めて勉強になった。ブラシツールさえ意味不明で使いたくなかったけど、ようやく最近使えるようになってきた。ショートカットキーが慣れればもっと効率良く出来るだろう。
まだまだ勉強すべきところはたくさんあるけど少しずつ頑張ろう・・・。